だから僕は、また一人で海へ向かう。
今回で3回目。少しずつこの海を知り、少しずつ遊ばせてもらう。
最初にこの海を訪れた日、海で出会ったローカルサーファーのダイさん。
今回も朝、海で目覚めるとダイさんが波チェックをしていた。
一緒に海へ入る。
長めのセットの合間に問いかける。
「天草漁って、いつ忙しいんですか?」
「5月から6月に採るんだよー」
採った天草を天日干しにして、汚れや余計なものを一つずつ手作業で取り除いていく。気の遠くなるような作業。
「天草は、やっぱりところてんですよね?」
「そうそう。コーヒーゼリーや寒天スイーツにもできる。食物繊維も豊富で、体にいいんだよ」
それを聞いて、はっとした。
「ぜひ、購入させてもらえませんか?」
午後。
お天気雨の中、ダイさんの軽トラックの後ろについていく。
細い山道を下り、見えてきたのは昔ながらの小さな漁村。まるでタイムスリップしたような空気が流れていた。
「途中、バイトに向かう奥さんとすれ違ったんだよ」
「お会いしたかった。残念。」
「僕も会わせたかったよー」
そんな会話をしながら作業小屋へ。
乾燥させた天草。一つずつ汚れを取り除く作業台。きれいに袋詰めされた天草。
蒸しっとした作業小屋の空気と田舎の香りに、なぜか子どもの頃を思い出した。
最近、便通があまり良くないという秋田の母へのお土産に。
この海について
今回の旅で改めて感じたことがあります。
僕は仲間と旅をすることが好きです。でも、この海だけは、いつも一人で向かっています。
それは、この場所を大切にしているローカルサーファーへの敬意があるからです。
良い波が立つ場所ほど、そこには長い時間をかけて育まれてきた文化があります。
その文化は、波だけではありません。
人とのつながり。
暮らし。
仕事。
そして、地域を大切に思う気持ち。
それら全部があって、初めてその海があります。
だから僕は、場所を探すことよりも、人と出会うことを大切にしたい。
今回出会ったのは、天草ではありません。
ダイさんご夫婦が大切にしている暮らしであり、その土地に流れる時間でした。
だから僕は、また一人で海へ向かいます。
次に出会えるものを、楽しみにしながら。






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