今年2月、岐阜のホワイトピアたかすで出会った能登のサーファー、たかはるさん。あの出会いから、海でもつながるようになった。そして、日本海のサーフシーズンが始まった。
本格的な冬が訪れると、なかなか海へ向かう時間が取れなくなる。その前に、もう一度能登の波に乗りたい。
一週間ほど前から低気圧の動きを追い続け、久しぶりにたかはるさんへ連絡を入れた。
「木曜日、朝イチはできるかもですね」
そんな返事をもらい、スケジュールを調整する。移動時間は約8時間。
良いコンディションの時に、その場にいられるか。
それがすべて。
日本海の波は、低気圧の動きによって大きく変わる。どれだけ予想しても、行ってみなければわからない。それでも、海へ向かう。
途中、安房峠では雪をまとった山々を眺めることができた。秋から冬へ。季節が移り変わっていく。

夜、たかはるさんファミリーと再会。今回で3回目。たかはるさんの同級生、アイさんも交えて話は尽きず、夜はどんどん更けていった。
朝5時半。

目の前には、美しい朝焼け。前夜まで荒れ狂っていた海が、少しずつまとまりを見せていた。
たかはるさんが屋根に登り、沖から入ってくるうねりを確認する。サイズは予想より下がったものの、胸ほどの波が残っている。

「よし、朝一入ろう」
急いで準備を始める。

コータロウ君と合流し、たかはるさんと3人で海へ向かった。そこには、素晴らしい波が待っていた。

この海は、ローカルサーファーたちが大切にしている場所。突然訪れて、気軽に入れるような場所ではない。こうして迎えてもらい、波に乗らせてもらえることが本当にありがたい。

前回は真冬。初めて乗る、おろしたてのボード。波のサイズも今回より2サイズほどアップしていて、緊張感のあるセッションだった。
でも今回は違う。驚くほどリラックスしていた。
もちろん、周囲には油断できない岩場がある。それでも、セットの波に乗る瞬間、前回の感覚が自然とよみがえった。思っていた以上にスムーズなテイクオフ。
何本か乗るうちに、さらに余裕が生まれてくる。あれをやってみよう。今度はこうしてみよう。
そんなことを考えながら波に乗れる。太陽が少しずつ昇り、温められた空気の中、海から朝もやが湧き上がる。朝日に向かって滑り込む。
Tsukumo Shapesでイメージしていた動きを、美しいセットの波で試してみる。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。何がリンクしていて、何がリンクしていないのか。
そんなことを考えながら、波に乗り続けた。
海の上ではローカルのジュンくん、そして富山のジンさんともセッション。いろいろな場所で横乗りの時間を共有してきた仲間たち。
波は思いのほか早くサイズダウンし、午前10時前には最初のセッションを終了。満足感に満たされた空気が、その場を包み込んでいた。
海から陸へ。

アフターサーフ。たかはるさんの家で仲間たちと語り合う。
そして、今度はスケートボードを持ち出した。たかはるさんと約1kmのダウンヒルセッション。さっきまで海で波に乗っていた二人が、今度はアスファルトの上を滑っている。
海でも、陸でも。遊びは続いていく。
もう一つの波。

ランチを済ませ、午後のセッションへ。今度はビーチブレイク。
午前中に使用したのは、自分で削って作ったツインザーのサイドフィン。サーフィンの師匠の一人、ヨッシーから受け取ったテンプレートをもとに製作したもの。
胸ほどのサイズがあった朝の波では、踏み込めばグイグイと走るドライブ感が気持ち良かった。ただ、自分のボードには少し大きい気がしている。もう7〜8mmほど削って試してみたい。
午後は波のサイズが1〜2サイズダウンし、パワーも落ちていた。そこで、サイドフィンを外してツインフィンで入ることにした。
たかはるさんのアイデアで、防波堤脇のブレイクへ。僕も直感的に、たかはるさんについて行きたいと思った。
結果は大正解。
朝はライトオンリー。午後はレフトオンリー。しかも、3回カットバックできるほどの素晴らしい波。
朝のリーフは、力強く硬い波。午後のビーチは、防波堤脇のポイントブレイクで、優しくまとまった良い波。
西伊豆で練習してきたレフトの動きを再確認しながら、Tsukumo Shapesで感じている身体の使い方を取り入れていく。
僕にとってTsukumo Shapesの乗り味は、7’2のウイングピン、シングルフィンのミッドレングスに近いフィーリングを感じる。今回乗っている6’5のツインザーとは、特に後ろ足とフィン周辺の感覚に違いがある。
それが面白い。
海で試して、陸で確かめ、また海で試す。何がつながっているのか。何が違うのか。
その繰り返しが、また新しい発見になる。
気がつけば、腕が上がらなくなるまで波に乗っていた。心も体も満たされている。
最高の波乗り。最高の一日だった。
そして、もう一つの出会い。

帰る前に、ジンさんと夕飯を食べることになった。向かったのは、たかはるさんのつながりがある、手打ちうどんと天丼のお店「お多福」。ジンさんも、こちらへ来るとよく通っているという。
店主は同世代のサーファーで、MOSS SNOWSTICKにも乗っている。お店を訪ねると、思いがけない来客に驚いてくれた。そこから、また話が盛り上がる。
雪山で出会ったたかはるさん。
能登の海で再会した仲間たち。
海から陸へ続いたセッション。
そして旅の最後に、また新しい出会い。
約8時間かけて波を追いかけた、短い旅。
素晴らしい波に乗れたことはもちろん嬉しい。でも、振り返ってみると、それだけではなかった。
人との出会いが、次の時間をつくり、また新しい世界を広げてくれる。
だから、海も山も、やめられない。





